■ ジャマイカン・スカ誕生 PRINCEBUSTER ■

マッドネスの”ワンステップ・ビヨンド”やスペシャルズの”エンジョイ・ユアセルフ”は、どちらも名曲ですが、実はバスターの曲だったと知った時は驚きました。そんなスカのオリジネイターであるプリンス・バスターの歴史に少しだけ触れたいと思います。
ボクサーであった彼は、その腕を買われ用心棒としてギャングの世界に入っていく事になります。当時のジャマイカでは、野外ディスコなるものが流行っていたらしく、バスターにもサウンドシステム(野外ディスコの事)の所有が与えられました。ディスコの運営には質の高いレコードが必要でしたので、アメリカ産のR&Bやジャズのレコードをどうにか手に入れようとしましたが、強面のプリンスは入国すらままならなかったのです。
そんな彼は、R&Bやジャズにジャマイカらしさをプラスし、自分で作れば良いと考えました。それがスカの始まりです。ついにバスターはレーベルを立ち上げ、数々のレコードをリリースするに至ります。
ですが、スカの命は短命でした。その発展形とも言えるレゲエが、主導権を握る事になります。スカによって人気を得たミュージシャンは、次々にレゲエへとシフトしていきました。あのボブ・マーリーも、実はスカ出身です。スカは、時代と供に消えていきました。
そこからはよく知られていますが、1979年にスペシャルズがパンクとしてのスカを蘇らせ、マッドネスらと一緒になって世界に広めました。また90年代に入ってからも、USバンドが中心となってスカコアという形で新たにリバイバルされています。今では、ここ日本でも無数のスカバンドがおり、巷の女子高生ですらスカ・スカ・クラブや東京スカパラダイスオーケストラに熱をあげてるみたいです。

クールな音楽はいつの時代でも輝きを失う事はありません。短命に終わった音楽も、その一瞬だからこそ光り輝く(初期パンクとか特に)ものだと思います。これからも第二、第三のスカブームがあると思いますが、そのルーツを知る、オリジネイターを知るのも音楽の楽しみですよね。
ディスコグラフィーというか関連盤
「Rock A Shacka Vol.1」(2003)
1.INTRODUCTION BY GAZ{ROCKIN’ BLUES}MAYALL 2.Mt.GEM 3.MANGO ROCK 4.CRAZY〈PRINCE BUSTER WITH DETERMINATIONS〉 5.INTRODUCTION 6.AL CAPONE 7.ORANGE STREET 8.THEY GOT TO COME 9.BURKE’S LAW 10.DANCE CLEOPATRA 11.HARD MAN FE DEAD 12.BIG FIVE 13.BLACKHEAD CHINAMAN
14.30 PIECES OF SILVER 15.ONE STEP BEYOND 16.PRINCE OF PEACE
プリンスが日本のディタミネーションズと共演したライブを収めたCD。プリンス自身のオリジナルアルバムを揃えようとすると一財産失うので、現実的なコンピレーション盤で我慢するしかないのです。
「Rock A Shacka Vol.5」(2003)
1.DANCE CLEOPATRA 2.DELIVERANCE MUST A COME
3.THE PROPHET(PRINCE BUSTER&SLIM SMITH) 4.LION OF JUDAH
5.PRINCE OF PEACE 6.707 7.I’LL WEAR MY CROWN 8.INDEPENDENCE 65 9.ISLAM 10.BLACK MAN MUST BE FREE 11.ALI SHUFFLE 12.TRIP TO MARS
13.LONG WINTER(PRINCE BUSTER&THE CHARMERS) 14.THE HUNTER 15.ROCK&SHAKE
これが上でも紹介したコンピシリーズの第五弾。コチラはプリンスのベスト盤になっており、初CD化曲もチラホラあります。DRUM&BASS RECORDSさんのRock A Shackaシリーズ ですが、相当ジャマイカ音源に強いのでお世話になってます。